2020/10/4

今の生活が続いたら、どうなるのか想像してみる。週に5日、朝の9時から夜の9時ごろまで労働する。昼食はサッと済ませ、夕食も時間に追われサッと食べる。お金は25万以上入ってくるため困ることはない。月曜日が憂鬱で、休みはすぐに過ぎ去っていく。出世しても忙しさは変わることない。社会的に安定し、正社員の守られた環境である。結婚して家を買い、子供を産み、幸せな家庭。だが俺にとってどれも魅力的に映らないのは、それ以上に重要な何かが欠けているからである。お金の引き換えに、時間を差し出すことだ。仕事に自己実現を求めている人間にはどうしてもなれない。もう道は決まっている。新卒の枠を使い、一度就職してよかった。本当に求めていることが明確になったから。暇に耐えられない人間は、無駄に動き回る。じっと座っていられない。膨大な時間を前に、何をしたらよいか分からなくなるほど空虚ならば、労働している方が楽なのだ。考えなくていいから。膨大な時間という白紙のキャンパスに、自らの意志で絵を描く方が楽しいと思うのに、それはどうやら少数派らしい。暇を楽しむには想像力が必要だ。どうやら私には少しばかりの才能があると思う。暇を楽しめる才能が。お金持ちになったら、シヴァナンダヨガセンターへ通いたい。上手な人から水泳を習いたい。外国へ写真を撮りにいきたい。子供を育てたい。バイクに乗りたい。寝室と作業部屋が分かれている家に住みたい。何かを生み出すことにお金はほとんどいらないと思う。そして何かを生み出すことほど面白いこともないと思う。