2020/8/28

私が望むことは、通り過ぎる車に思いを馳せること。雨の匂いに打ちひしがれること。酒飲みの談笑に包まれること。水の中に潜ること。爽やかな朝を迎えること。鈴虫の音色に思い出を乗せること。生きているだけでもうそれだけで。どうなるのかわからなくて、たまらなく不安になる。明日死んでしまうというのなら過ぎ去る人々が愛しく見えるのかな。取るに足らないことのように思う。普通って何?結婚もできそうにない。会社で昇進する気力もない。貧困が懐かしくそこに迫っているように思う。夏の川の冷たさに、心を洗い流してしまえば何も惑うことはなくなるのか?傍から見たら夢のような暮らし。当の本人は地獄のように満たされることなく足掻く日々を送る。幸せとは何だろう。明日も生きているのだろうか?慕ってくれる人間はどこか彼方へ消えていく。孤独にはもう飽きたよ。夢に浮かんでいるような気分。不幸の果ては、闇ではなく夢の中みたい。骨の髄まで腐りきったこの体は貧相でコケていくよう。ふと沖縄にいきたいと思う。青い透明な海に触れたい。私は消えてしまうのかな、美しさの中に溶け込んでしまうのかな、いっそのこと空を飛ぶことができたらいいのにな。日差しが海の震えに反射してキラキラとしていた。タンポポの綿毛が飛んでいく。金を稼いでも、満たされない。書いていることが最高である。仕事はつまらない。人と関わることが疲れる。没頭することなんてできず、何かが心につっかえている。今日も生きた。飯がうまい。眠ろう。そんな日々が懐かしい。金を稼いでも、満たされない。書いていることが最高である。人を笑わせることもできない私は存在していていいの?私の特性を輝かすことができない現状がもどかしい。極めて内向的な性格で思い馳せる日々が永遠に続くみたい。時代は変わり、憧れだった概念が、見たくもない象徴へと朽ち果てる。祭りの中で、焦げたトウモロコシの香り。薄明りの中を駆けまわる子供に、揺れ踊る着物姿の女。私の心は弾み弾み、自然と駆け出していた。静かな国で、静かに生きている。生まれたことも死んだことも誰も知らない。人間を撮りたいと思う。人間はとにかく面白い。笑ったとたん怒りだす。突然泣き出し虚しい表情を浮かべたと思ったら、天にも昇る快楽的な、あまりに快楽的な。だから人間を撮りたいと思う。特に女を撮りたいと思う。女は美しいと思う。男とは全く別の生き物だと思う。