6月14日

原宿の地上は雨が降っていた。強くも弱くもない、そこそこの雨であった。

傘をさすかささないか迷っていたが、英恵ちゃんに促され、目に留まったコンビニで傘を購入した。それはどこでも目にするような透明な傘だった。

若者の笑い声が聞こえてきた。楽しそうで心から羨ましかった。

私の心は風に吹かれ生まれる波紋のように、うっすらと揺らいでいた。

夜にあたたかな照明があったらムードがでるって思って、IKEAに行こうと思ったのだ。

しかしそこに待っていたのは、長蛇の列であった。

1時間待つのは厳しかったから、私たちは渋谷へ向かった。

雨の中を歩くのは久しぶりだって言っていた。

水たまりがあちらこちらにできていた。

傘もささずに代々木公園を走り回っている人々。

化粧の影響だろうか?女性の顔は皆同じように見えた。

休日の賑わいは元に戻ろうとしていた。

悪くはなかったが、賑わいの中では、余計に孤独感が際立ってしまう。

居心地が悪くなってしまった。私はいつだってそうだ。

東京の繁華街はいつも新しいから、面白い。

でもその移ろいに同化してしまうから、長くはいられない。

逃げ出すように近所へ帰ってきたが、波長はとても穏やかで、気持ちのいいフィーリングが身を包むようであった。

気が遠くなるような日曜日。休日のぐだった時の流れが、あまり好きではなかった。

また明日が始まってしまうことを考えると、胃が重たくなってくる。

流れるように日々を送りたいといつも思っている。

瞑想的で気持ちの良い日々を送りたいといつも思っている。

変わり映えのないような日々の中で、鮮やかな変化を捉えたいといつも思っている。

勉強にお金はいらない。

永遠に学び続けたいと働き始めてから思うようになった。

ソウルのムードは甘い。

葉巻の煙は味わったことのない匂いであった。

だれた時間が流れている。

世界を感じられる時間はあとどれくらいだろう。

目の前を赤い自転車が通り過ぎたことも、観照的に感じられる瞬間がやってくるのだろうか。

ゆったりとした優雅な時間と躍動感に流れる時間の両方を上手に乗りこなしたいといつも思っている。