記憶
記憶を見ている。頭の中で、かすかな記憶が流れていく。東京というノイズの多い場所で働いているから、山や海に行きたくなる。そこで揺らぐ大地の音を聞きたくなる。魂まで届く音に揺られたくなる。東京から横浜へと続く列車では、皆がスマホを眺めている。心解き放つ間も無く、情報に翻弄される。自由自在というよりも、翻弄されるという表現が正しい。飯もうまいが、何か絶対的なものが欠けている。それは心だろう。どうでもいいお話や、笑い合う日々が宝物のように愛しくて、切ない。その儚さに恋しく思う。
ハッピーな気持ちは簡単だ。
空っぽにすればいいのだから。
深く眠る。
美味しいものを食べる。
泳ぐ。
歌う。
笑う。
黄昏る。
清潔にする。
いい香りに包まれる。
音楽。
学ぶ。