2021/7/7

1.マーケット参加者のほとんどが、売買ルールを持たず感情のみで売買を繰り返している状態である。そんな中でトレーダーとして成功するためには、資金管理と売買ルールが必要である。この重要性に比べたら、手法・銘柄などどうでもいいレベルである。どんなに素晴らしい投資アイデア・着眼力・集中力・分析力があったとしてもルール通りにトレードをしなければ、利益をコンスタントに出し続けることは不可能である。しかし、人間とは弱い生き物で様々な感情に支配され、ルールを守ることがなかなかできない。トレードを邪魔する感情は恐怖・欲望・傲慢・怠惰があるが、これを抑え込まなければルールを守り、機械的にトレードを続けることは不可能である。だからトレードで一番大切なことはメンタル・コントロールである。素人は銘柄ばかりにこだわる。だからいつまでたっても勝てないということに気がつかない。どうやって一番のベースとなる精神力を強くしていけばいいのか?答えは、自分の精神力の限界を知り、身の丈に合った資金配分のルールを作ることである。つまり、精神力を強める努力をするのではなく、精神的負担がどうやったら少なくなるのか?ということを一生懸命考えればよいのである。重要なことなので繰り返すが、メンタルをコントロールする秘訣は、精神力を強める努力をするのではなく、精神的負担がどうやったら少なくなるのかを考えて資金配分していくということなのだ。資金をどう配分するかということとメンタルコントロールには密接な関係がある。そこで精神的負担を少なくするために必要なことが建て玉操作である。ロスカットを負けと考えるのではなく、未来のチャンスをモノにするチケットだと考えるようになれば、ロスカットも建て玉操作の技術の一部であると考えられるようになる。マーケットでプロが素人を狼狽させるのは簡単なことだ。ギャンブルとトレードは掛け金が大したことないと考えるほうが勝つゲームである。個人投資家がプロに勝てないのは、自分の金銭感覚が邪魔をするからである。プロは躊躇なくロスカットができる。なぜなら、トレーダーとして訓練されているし、一定以上の損失を出すと、ファンドの責任者が強制的にポジションを手仕舞いしてしまうからである。当たり前だが、個人投資家にはポジションを強制的に決済してくれるファンド責任者はいない。そして何よりプロがロスカットを何の恐怖も感じることなく躊躇なく機械的にできるのは、運用資金が他人の銭だからだ。だが個人投資家はそうはいかない。安月給を長年かけてシコシコ貯めた命より大切な虎の子である。これが損失そのものを恐れる恐怖の感情となる。ロスカットを恐れずに躊躇なく実行できるプロ、こういった連中と戦うには自分の個人的なレベルでの金銭感覚を排除し、資金に対するパーセンテージで考えられるような思考回路にならないといけない。メンタルをコントロールしている状態とは平常心でいる状態のことである。ということは、ロスカットとは精神を平常に保つ為の手段の一つであるといえる。トレードプランを立てた時にロスカットの位置を決めてそれを決めたら腹をくくる。恐怖に打ち勝つにはこれ以外の方法はない。違う方法があるなら教えてほしいくらいだ。ロスカットが安定すると、メンタルを自然と安定してくるから、まずはやってみろ。

2.統計的優位性があり、期待値がプラスのルールを作り、それをやり続けるのがトレードである。自分の思惑、勘、欲でトレードをするのはトレードとは言わない。個々のトレードではなく、トータルで利益を出そうと考えるのだ。だから期待値がプラスのルールを繰り返していくことが重要なのである。これをしっかり繰り返せば、プラスになる。トレーダーとギャンブラーを区別する境界線は規律である。売買ルール・資金管理という規律である。マーケットで勝つ秘訣は必勝法・手法にはない。マーケットで勝つためには、手法は何でもいいから、一貫した正しい知識と技術と感情のコントロールをすることなのだ。これを肝に銘じてトレードに励むのだ。トレードをする目的は、トレードをすることではなく、金を稼ぐことなのだから。