2021/1/7

 仲の良い家族、マネーリッチ、昇進、甘い恋愛、どれもが取るに足らないように感じている。世界の探究がしたい。社会の歯車として労働しているわけじゃない。そんな陳腐な思い込みに人生を捧げてはならない。まだ知らないことが多いから、世界の仕組みの探究がしたい。自分自身に植え付けられた観念を破壊したいのだ。 メカニカルキーボードが打ちにくい。仕事を辞職する旨を伝えてから同僚の皆さんと気まずい。新しい仕事に就けるかが不安。一生女性と付き合えないかもしれない。結婚できないかもしれない。嫌だなあ。風俗へ行こうかね。昼間は風が強く、窓がギシギシと揺れていたが夜になり静けさに包まれている。何に命を燃やすのか考えている。四畳半の部屋は居心地がよい。愛する人もお金もあの世まで持っていけない。すべては夢のように消えていく。銭湯へ行くと、心の内で悩んでいたことも洗い流されていくようだ。ストレスは減り、湯上りの余韻の中で想像を膨らませる。孤独に心地よさすら感じてしまう。人間の社会のことをもっと知りたい。俺くらいの若造の中には、この世のすべてを知ったと確信している奴もいるが、俺はまだまだ知らないことがたくさんあると感じている。途切れることのない波の中でサーフしているかのように、この世界で遊んでいたい。生きていくために必要なお金は多くはない。東京で8万円ほどあれば快適に生きていけることを知った。8万円以上は遊びみたいなものだ。与えられた時間のすべてを「人間を知ること」に充てたい。なぜ働くのか、生きているのか、血が体内を駆け巡っているのか、あの人と出会ったのか、あいつは死んだのか、両親のもとで生まれてきたのか、疑問は留まることなく続いていく。それは留まることなく続いていく。それは留まることなく続いていくのだ。あの人はいなくなり、恋焦がれたあの人もいなくなり、私はどうなるのかも分からないままにただ立って空を見上げる他はなかった。ただ立ってただ立って空を見上げる他はなかったのだ。そんなことを考えながらもまた明日はやってくる。いつかそんな日々にさよならを言いたいと思ったりもする。気づくとそんな日々にさようならを言いたいと思ったりもする。いつかあの日が奇跡だったと気づくのだろうか、それともただ当たり前のこととして過ぎ去ってしまうのだろうか。暖かい日差しに包まれながら、人々が行き交う様を眺めていた。心の中は誰にも見えないから心境は分からないが、表層上の顔つきから内面は見えているようであった。誰もがそんな輝きの中で、言葉を交わしては、突然笑みを浮かべたり、表情を曇らせたりしていた。そんな人々を見ているのがこの上なく面白いと思った。