2021/9/5

価値とはあまりにも曖昧なもの。人々は幸福を求めるが、目の前に存在する魅惑の品々は刹那的に消えてしまう。便利さや快適さを求めて街を彷徨う人々の眼は、希望と落胆で行ったり来たりする。与えられることで一瞬の快楽を満たすしか能がない人間は、社会に飼いならされたペットのような存在に落ちぶれていく。沸々と沸き起こる欲望に蓋をして、仮面をつけて社会で生きる。他人を騙し騙して、金を奪う違和感に嫌気がするが、金を稼がねば生きていけないとたかを括り、偽り続けることで疲労しきった精神を癒すが如く酒を浴びる。いくら社会自体が豊かになっても、それを利用する個々人が自ら「本当に大切なことは何か」を考えられない限り、街は腐っていく。

それでも私は歌う。この世は美しいと。

金は稼げばいいってもんじゃない。だからといって使わなければいいってわけでもない。本当に大切なことに金を使うのだ。使った金は、本当に大切なことを提供している人々の利益になり、みんなが豊かになる。金は適度に稼ぎ、使えば、巡りはよくなっていく。適度っていう感覚は体が直感的に分かっている。

圧倒的に突き抜けるのだ。その先にまだ見えていない世界が広がっている。

こんな私にもできることがある。社会のためにやれることがある。数字を追い求めると同時に、私は痛みに寄り添える人間になりたい。