何かを伝えたいが、それが何か知る由もない。愛し合いたい。今夜も一人眠るのだろう。金髪の小さな女の子。とても可愛い顔をしている。どこか寂しい顔をしている。今日も生きていた。それだけでうれしい。また明日がくる。今日は思い出となり、うっすらと思い出すのかな。語ったことは忘れない。気に病むこともないし、また会えるのさと気楽にいられたら、どんなに素敵だろう。飛び切りの女性を連れて、どこか浮かない男性がいる。いつも一人でいる。王将のふくよかなお姉さんは今日も堂々としていた。まっすぐな声に、安心感を感じる。街灯がにじむ。そこに蛾が舞い、春を告げるみたいだ。虫の音が、染みわたるようだ。奥まった木々の中を通り抜けると、体の毒素がきれいさっぱりと流れていくかのように、深い空気に包まれていた。それを今思い出す。