12月27日

富士山にかかる雲を見ていた。まとまりとなって浮いている。少し黒みがかった雲が太陽と重なり日陰となった。不思議だよなとしみじみと思う。科学的にはこうなってああなってるからとか概念として説いている。しかし、どうしてこうなっているのかとかもう理論がああでこうでというものを突き抜けているように思える。雲は改めて不思議だ。同じ形が一つもない。雨となって川となって海へと行きつくとされているが、それはもうこうなっているとしか言いようがない。人智の及ばないこの自然は流れている。この肉体も流れている。人も時空の中を踊るように流れている。変わらないものなどこの世界に何もない。命尽きて土となり、新たな命を育む地となる。俺が溶けてしまうとき、全てがうまく回って行くように思える。感覚はなくなるのに、美しい安らぎのようなそんな、風となって、飛び立つかのような、そんな…